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と言うわけで、まとめをブログにて。
勢いだけで偽シナリオのMSを引き受けることに。
……私、PBW、銀雨が本当に初めてなのになぁ。
どうしてこうなっちゃったんだろう。
遥か彼方の空を見上げ、芦夜・恋月(高校生ファイアフォックス・b10866)は一人、溜息をつく。
確か自分は結社旅行を提案し、それを皆が承諾したはずだ。
話の途中で何故か芦夜の宗家に赴くことになった。
たどり着いた宗家では、何故か宗主の歓待を受け。
……そして今。
……自分は何故か、鉄格子を通して月を見上げている。
どうしてこうなっちゃったんだろう?
冷たい畳が裸の足に痛い。
秋も深まったこの時期に、暖房の一つないこの部屋はかなり辛かった。
「恋月さん、話を聞いていますか? 貴方の婚姻の話ですよ」
そして。
宗主の心からの笑顔がとても自分の心を締め付けた。
* * *
芦夜の宗家は京都の山奥にあった。
何らかの覚悟を決めた芦夜恋月の案内の元、碁盤目の様な京都市内を錯綜すること小一時間。
一瞬の違和感を憶えたときには近代的な町並みはなく、ただ森林がバスの両脇を占めていた。
隠世。誰かが呟く。
そう、確かにそこは異界だった。うっすらと霧が立ちこめ、遠くからは獣の咆吼が聞こえる。
近代日本とは思えないそんな世界の中。
突如道をふさぐように、その家屋は存在していた。
そして今。
再び月影楼の面々はバスに乗り込もうとしていた。
芦夜宗家は恋月の言うほど大袈裟なことはなく、一行は普通に歓待を受けた。宗主を名乗った女性の話は未熟な能力者である彼らにとってはそれなりに為になるものだったし、「余り豪勢ではない」と謙遜の言葉と共に出された料理の数々は物珍しさもあってか、皆の箸を止めることが無かった。
そう。言ってしまえば楽しい時間だった。
が。
「ああ。そうそう。恋月さんはここで皆さんとお別れです」
バスに乗り込み、出掛けに戸惑っているのか、まだ現れない恋月さえ来ればさぁ出発。と、そんな瞬間だった。見送りに来ていた芦夜家宗主・芦夜日和は狐を彷彿させる細い眼を月影楼の面々に向け、さも当然の如く言う。
「あ。忘れるところでした。蓮見さん、これを学園に」
その言葉と共に渡されたのは白い和紙。
退学届け、と書かれていた。
いぶかしむ一向に向かってこともなげに彼女は言葉を続ける。
「今日いっぱいを持って芦夜恋月は皆様の元から姿を消します。……彼女も既に16。芦夜の律に従い、新たな伴侶を求める時期なのです。……話しすぎましたね。最後に彼女から言葉を預かっていますので」
ニコリとも微笑まず淡々と紡がれた言葉は。
「今までありがとう。さようなら」
それだけを告げると、彼女はバスから降り立つ。
……後に残った面々はただ、顔を見合わせるばかりだった。
* * *
昔の話だ。
犬になることを望まれた。
猟犬となってに死霊やゾンビ、妖獣を狩れ。
番犬となって人々を守れ。
そして、畜生となり、芦夜を繁栄させろと。
それが当然だと思っていたし、それに異を唱える気もない。分家筋とは言え芦夜である誇りはある。意地もある。
だけど。
だけど思うのだ。
自分にも少しは選ぶ権利がある、と。
だから今日、この瞬間だけは飼い主の手を噛もうと思った。
方法は一つ。
タスケテ。
イグニッションを利用すれば携帯電話を持ち運べることを、宗主がまだ知らなかったのは幸運だった。
* * *
タスケテ。
結社の面々に届いたのはそんなメールだった。
今、宗家の地下牢に閉じこめられている。
このままだと明日、婚姻をさせられてしまう。……銀誓館学園も辞めさせられるし、なにより、このままみんなと別れちゃうのは嫌だよ。
だから……。
助けて欲しいんだ。
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